博多時間・・・わざと遅れ、照れ隠し?

「東京はせわしないでしょ?こっちは博多時間やけん、遅れて怒られるのはマージャンの時くらい」東京から来たことを告げると、タクシー運転手さんがどこか誇らしげに話し始めた。「博多時間」とはもとは約束時間にわざと遅れる習慣のこと。今では時間にだらしないとの意味で使われることが多い。

江戸時代、なかなか会合に来ない客に使いの者をやったが動く様子がない。八度目の使いの途中でようやく向こうから悠長に歩いてきた。「博多時間」が別名「七度半」と呼ばれるゆえんだ。もっとも、来客準備に追われる相手を思いやりわざと遅れたとする説もある。

この習慣を博多人気質の象徴と解説するのは博多の歴史・風習に詳しい武野要子・福岡大名誉教授。博多人は「一見豪胆だが非常にシャイで細やかな心の持ち主」なのに加え、「博多が日本最古の港湾都市だという誇りを持ち続けている」わざと遅れることで貫禄を示し自尊心を満たしていたようだ。

支店経済で潤う現在の博多は他地域出身者でいっぱい。しかしルーズな時間感覚は根強く、長崎県育ちの武野氏自身も取材対象の人に何度も約束をすっぽかされて悩んだという。長年の博多研究で分かったのは「それが悪意ではなく照れ隠しだということ」いったん懐に入れば驚くほど親切なのも博多人の特徴、と付け加えた。

— posted by 旅助 at 06:57 pm